[AUDIX( オーディックス ) / SCX1] 新規機材導入

AUDIX-SCX1-01
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AUDIX SCX1 導入レポート ── 小型ボディが秘める安定したサウンド

RED IGUANA STUDIOに、アメリカ・オレゴン州のブランドAUDIXが誇るプロフェッショナルスタジオコンデンサーマイク「SCX1」を導入しました。コンパクトなボディに凝縮された高精度なサウンドキャプチャ能力と、幅広い用途への対応力——スタジオのレコーディングクオリティをさらなる高みへと引き上げてくれると確信しています。

AUDIXとはどんなブランドか

AUDIXは1984年、Cliff CastleとFred Bighehによってカリフォルニア州レッドウッドシティで設立されました。創業当初、業界の反応は懐疑的なものばかりでした。「有名メーカーのマイクに勝つのは不可能だ」——ある楽器店オーナーに言われたという言葉が、当時の厳しい状況を物語っています。

それでもCastleは諦めなかった。日本のマイクメーカーの代理店契約を結び、「AUDIX」のブランド名でワールドワイドに製品を展開。最初の5年間は売上に苦戦しながらも、Bighehが独自の技術開発に打ち込み続けました。その成果が、AUDIXの代名詞ともいえるVLM(Very Low Mass)技術の誕生です。超軽量ダイアフラムを用いるこの設計により、トランジェントレスポンスと音の正確な再現性が飛躍的に向上し、AUDIXの評判は一気に高まっていきます。

1985年には最初のプロフェッショナル向けボーカルマイク「OM1」をリリース。その後OM3、OM5、OM7と進化を続け、1991年には本拠地をオレゴン州へ移転します。同年デビューしたOM7は、その2年後にタイム誌の表紙を飾りました——Pearl JamのEddie Vedderがステージ上で使用している写真とともに。この出来事がきっかけとなり、Alanis Morissette、Bruce Springsteen、Red Hot Chili Peppers、Willie Nelsonなど、時代を代表するアーティストたちがこぞってAUDIXを選ぶようになります。

1998年、AUDIXはポートランドの南東13マイルに位置するウィルソンビルに、延床面積78,000平方フィートの完全自社製造工場を竣工。R&D・設計・加工・組み立て・テスト・出荷をすべて一棟に集約したこの施設は、「メイド・イン・USA」へのこだわりを体現するものです。

2022年にはイギリスのVitec Groupが買収し、Rycoteと並ぶVitecのオーディオブランドとして新たな章に入りました。しかし製造はオレゴンの自社工場を維持し、品質へのコミットメントは揺るぎないまま現在に至ります。創業から40年以上、「プロオーディオ業界の発展に貢献する、革新的で高性能な製品を設計・製造する」という創業時のミッションは今も変わっていません。

AUDIX SCX1 とは

AUDIX SCX1は、「高感度」「ピンポイントの精度」「ロープロファイル」「一貫性」という4つのキーワードで語られるスタジオコンデンサーマイクです。

40Hz〜20kHzにわたるスムーズで均一な周波数特性は、オンアクシス・オフアクシス双方において安定した音の捉え方を実現します。位相コヒーレンスに優れ、近接効果も最小限に抑えられているため、マイキングの自由度が格段に広がります。

ボディには精密加工された真鍮(ブラス)を採用し、ゴールドメッキXLRコネクターを搭載。表面にはクラス’A’液体塗装のブラックフィニッシュが施されており、物理的な質感も非常に高く、長期使用に耐える設計です。トランスフォーマーレス設計による低ノイズフロアと、表面実装技術(SMT)による極限までコンパクトなフットプリントの両立が、このマイクの大きな強みです。

主要スペック

トランスデューサータイプコンデンサー
指向特性カーディオイド
周波数特性40 Hz ~ 20 kHz
最大SPL130 dB
カプセル21mm ゴールドベイパー(交換可能)
アンビエントノイズ除去最大 20 dB
ファントム電源48V(必須)
回路方式トランスフォーマーレス
コネクターゴールドメッキ XLR
保証期間3年間

こんな収録シーンで活躍します

SCX1は広いカーディオイドパターンと高感度の組み合わせにより、この様な場面で使われる事が多いマイクとなります。

ドラムオーバーヘッド

シンバル上方1.5〜2フィートに左右対称に設置。キット全体の広がりと解像度を両立します。

アコースティックギター

弦楽器の倍音構造を正確に捉える高感度設計で、ピックやフィンガーストロークの質感まで記録します。

ピアノ

ピアノレール上に直接マウント可能。低域から高域まで均一なレスポンスでグランドの音場を再現します。

ストリングス / オーケストラ

オーケストラセクション全体のアンビエンス収音にも対応。広いパターンがアンサンブル全体を包みます。

グループボーカル

2〜3フィートの距離でコーラスグループをまとめて収音。ソロ収音にも問題なく使用できます。

ルームアンビエンス

スタジオ空間の自然な残響と空間感を記録するルーム収音にも最適です。

スネア(ボトム)

スネア裏面下3〜4インチに設置し、トップマイクとフェーズ反転させることで厚みを加算できます。

3種類のカプセルバリエーション

SCX1は交換可能なカプセル設計を採用しており、指向特性の異なる3モデルが展開されています。

SCX1(カーディオイド)── 当スタジオ導入モデル

標準カーディオイドパターン。幅広い用途に対応するバランスの良いピックアップ特性です。

SCX1HC(ハイパーカーディオイド)

ハイハットマイキングのナンバーワンチョイス。室内ダイアログのブームポールマイクとしても高評価です。

SCX1O(無指向性)

ルームアンビエンスやアコースティック空間全体を自然に収音。オーケストラの空間収録にも対応します。

付属品と対応アクセサリー

  • 付属ケース:CASEWOOD(フォームライニング付き木製ケース)
  • 付属クリップ:DCLIP(ヘビーデューティ ナイロン製スナップオン)
  • ウインドスクリーン(別売):WS81C ── 風切り音・サ行・ポップノイズ対策
  • ファントム電源(別売):APS2 ── 48V / 入力電源 110〜240V対応
  • リムマウントクリップ(別売):DFLEX ── ピアノレール・ドラムリムマウント対応

RED IGUANA STUDIO より

今回のスタジオへの導入は1本だったため、当スタジオでは主にドラムのハイハットマイキングとアコースティックギターのストローク収録に活用しています。今までハイハットはAKG451を使う事が多かったのですがSCX1導入後はほぼハイハットはこちらを使うようになっております。ハイハットはアタックのキレと金属的な倍音の抜け感が命ですが、SCX1の高いトランジェント再現性はその繊細なニュアンスをしっかり捉えてくれます。アコギのストロークでも、コード感の広がりと弦の擦れる質感が自然に録れるのが気に入っています。2本あるとまた使い道も増えますので機会があれば2本ペアにしたいなと考えております。

また交換可能なカプセル設計により、将来的にはSCX1HCやSCX1Oの導入も検討しており、収録バリエーションをさらに拡張していく予定です。

ドラムレコーディング、アコギストローク、弦楽器など、幅広い案件でSCX1の実力をぜひ体験してください。サウンドと向き合うすべてのアーティストに、より良い音の入口を提供したい——RED IGUANA STUDIOはこれからも最前線の音響設備を整え続けます。


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