SoundWarrior様に取材をして頂きました。


この度はSoundWarrior(サウンドウォーリア)【城下工業株式会社】様より、製品を愛用しているユーザーの訪問インタビューという形で取材をして頂きました。取材を受けるのは正直あまり得意ではなく、これまでお声がけいただいても辞退することが多かったのですが、SoundWarrior様の製品はどれも長年お世話になっているものばかりで、少しでも製品の魅力をお伝えするお手伝いができればと思い、今回はお受けすることにしました。
インタビューの全文はSoundWarrior様のWEBサイトに掲載されています。当スタジオの紹介や機材の話も含めてたっぷりお話ししていますので、ぜひ合わせてご覧ください。

ここでは、インタビューでお話しした内容をあらためて整理しながら、当スタジオの視点でご紹介していきます。
スタジオを伊那市に構えた理由
当スタジオは長野県伊那市、周囲を森に囲まれた静かな環境にあります。この場所に決めた一番の理由は防音でした。建物全体をゼロから完全防音化するのはコスト的に現実的ではないため、最初から外部の音が入りにくい立地を選ぶ方向で物件を探していました。
具体的には、市街地や高速道路、鉄道からある程度距離があり、できれば山に近いエリアを希望していました。自宅のある駒ヶ根市内でも探したのですが、山間部は市有地が多く賃貸での確保が難しく、選択肢がほとんどなかったのが実情です。
そこで条件を見直し、首都圏からのお客様の来やすさや、自分自身が出張レコーディングで県内外を移動する際の利便性も考慮して、「高速道路のインターチェンジに近く、駒ヶ根の自宅から30分以内で通勤できる」というラインで探した結果、伊那市の現在の場所にたどり着きました。車の通過音や大型車の振動も入らず、近隣との距離も十分に取れている、まさにスタジオに向いた立地です。

レコーディングからマスタリング、パッケージ制作までワンストップで対応
当スタジオの特色は、レコーディング・マスタリングはもちろん、CDジャケットのデザインからCDパッケージの制作まで、一通りの工程をワンストップでお引き受けできることです。最近では映像クリエーターの方とタッグを組み、ミュージックビデオ制作のご依頼にも対応しています。
スタジオ内でのレコーディングに加えて、ホールやライブイベント会場へお伺いする出張レコーディングも得意分野のひとつです。インタビュー以降、出張レコーディングについては「OTONEX」という専門サービスとしても新たにスタートしていますので、ご興味のある方はこちらもご覧ください。

地方在住の方にとって、音源制作に関わる業者をそれぞれ個別に探して依頼するのは手間がかかりますし、特に初めて音源を作る方にとってはハードルの高さにもつながります。すべての工程をワンストップでパッケージ化することで、お客様にとって負担の少ない形をご提供できると考え、現在のスタイルにしています。
- RECORDING | レコーディング
- ON-LOCATION RECORDING | 出張レコーディング
- MASTERING | マスタリング
- CD/DVD/BD PRODUCTION | パッケージ制作
- MUSIC VIDEO | ミュージックビデオ制作
マスタリングという仕事について
マスタリングを専門に行うスタジオは、地方ではまだ数が少なく、一般的な認知度もそれほど高くありません。「マスタリングって何をするの?」と聞かれることも多いので、簡単にご説明します。
レコーディングやミックスの作業は、基本的に一曲ごとに最良の音を追求していく工程です。一方マスタリングは、その曲をアルバムやEPなどパッケージ全体に並べたときのバランスを見ながら、音質や音量を整えていく工程になります。単純に音量を揃えるだけでなく、曲順や曲間のつながりを意識しながら、作品全体としてどう聴かせるかをデザインしていく仕事、というイメージを持っていただけると分かりやすいかもしれません。
私自身は専門学校で作曲や音響技術を学んだあと、メーカーでマスタリングエンジニアとして10年ほど経験を積みました。その仕事の面白さにのめり込み、その後自分のスタジオを立ち上げて独立したのが、当スタジオの始まりです。

SOUND WARRIOR製品との出会いと活用法
SOUND WARRIORのヘッドホンとの出会いは2000年頃、ブランドロゴがまだ「Shiroshita.com」だった時代のことです。当時、御社の開発スタッフの方がマスタリングのお客様としてスタジオにいらっしゃったのが最初のきっかけでした。その後、ヘッドホンを開発されていると伺い、ぜひ試させてほしいとお願いしたところからお付き合いが始まりました。
最初にお借りしたのは、まだ一般販売前のプロトタイプだったTR-01です。それまでマスタリング作業ではbeyerdynamic(ベイヤーダイナミック)のセミオープン型を、ライブレコーディングなど外での仕事では折り畳み式のSONY MDR-Z900を、場面によって使い分けていました。TR-01を実際に聴いてみると、この2機種にそれぞれ感じていた弱点をちょうど補い合うようなバランスで、頭への負担が少ないにもかかわらず音の見通しが良く、細かい情報までしっかり拾ってくれる印象を受けました。
それから20年以上経った今も、イヤーパッドやケーブルといった消耗部品を交換・修理しながら、メインのヘッドホンとして現役で使い続けています。
SW-HP20をブースモニターとして導入
その後、SW-HP20をブースでのアーティスト用モニターヘッドホンとして導入しました。レコーディングにお越しいただくお客様には、定番のSONY 900STとSW-HP20を両方ご用意してその場で選んでいただくようにしているのですが、実際にはほとんどの方がSW-HP20を選ばれます。耳あたりの良さや音質のバランスが評価されており、特にギタリストからの支持が高い一台です。
クロックジェネレーター・真空管アンプ・N-modeアンプ
ヘッドホン以外にも、開発スタッフの方から「試しに使って感想を聞かせてほしい」とご依頼いただき、クロックジェネレーターのCL10と、真空管アンプのT20を使用させていただいたことがあります。
CL10はハーフラックサイズで持ち運びがしやすく、外録音の現場でクロックジェネレーターが必要になるシーンで活躍しています。動作も非常に安定していて、安心して頼れる機材です。T20については、スタジオでのモニタリングやサウンドチェック用途としてはやや柔らかい音色だと感じましたが、レコーディングを終えたあとにリラックスして音楽を楽しむためのアンプとしては相性がよいと感じました。
また、城下工業様がOEMで手がけられているN-modeのアンプも、スタジオモニター用として導入しています。情報量や解像度、音の立ち上がりの良さ、長時間使用したときの安定性など、業務用として求められる要素を十分満たしてくれる一台です。

追記(2026年6月16日):インタビューからその後
このインタビューを受けたのは2023年のことですが、その後も当スタジオは機材の見直しや新しい取り組みを続けています。たとえば最近ではNEUMANN U87iを導入したり、出張レコーディングを専門サービス「OTONEX」として独立させたりと、インタビュー内でお話しした内容を実際の形にしていく動きが続いています。
おかげさまで2025年には20周年、2026年には21周年を迎えることができました。これからも、SOUND WARRIORの製品をはじめ、信頼できる機材とともにスタジオを続けていきたいと思っています。
おわりに
今回のインタビューでは、スタジオの成り立ちから普段使っている機材の話まで、かなり詳しくお話しさせていただきました。記事全文はSoundWarrior様のサイトに掲載されていますので、エンジニア目線での機材選びの話などにご興味のある方は、ぜひそちらも読んでみてください。


