【4コマ漫画】RED IGUANAの日常17 ~スピーカー多すぎない?~
こんにちは!RED IGUANA スタジオです。
レコーディングスタジオに初めて足を踏み入れた方が、まず驚くもののひとつが「スピーカーの多さ」ではないでしょうか。
今回は、そんなスタジオならではの「スピーカーが何台もある理由」と、プロのエンジニアの終わりなきこだわりを描いたエピソードをお届けします。
なぜスタジオにはスピーカーがたくさんあるのか?
「なんでこんなにたくさんスピーカーがあるんですか?」
これは、スタジオに来たほぼ全員が一度は口にするセリフです。
普通の部屋であれば、スピーカーは1セットあれば十分。なのになぜ、プロのスタジオには大小さまざまなスピーカーが所狭しと並んでいるのでしょうか。
答えはシンプルで、そして深い。それは「あらゆる環境での再生を確認するため」です。
スタジオモニターが担う役割
ひとくちに「スピーカー」と言っても、その種類と用途はさまざまです。
- 大型スタジオモニター ── 超高解像度で音のすべてを見通す「基準の音」。低域の量感や定位の精度を確認するために使用します。
- 小型ニアフィールドモニター ── エンジニアのすぐ近くに置いて使う、現場の定番。一般家庭のリスニング環境に近い感覚でバランスを確認できます。
- ラジカセ・コンポ系スピーカー ── 昔ながらの「ラジカセで聴いてみる」を再現。中域が主体の音で、ボーカルや主旋律の聴こえ方をチェックします。
- スマートフォン・タブレット向け小型スピーカー ── 現代のリスナーの多くが音楽を聴く環境を再現。今や最重要チェック環境のひとつです。
「どこで聴いても良く聴こえる」ために
音楽は、ダウンロードされた後にどんな環境で再生されるか、エンジニアにはコントロールできません。
高級オーディオで聴く人もいれば、スマホのスピーカーで聴く人も、イヤホンで聴く人もいます。
だからこそプロは、複数のスピーカーを切り替えながら「どんな環境でも破綻なく、良く聴こえること」を確認するのです。
これは一種の品質保証。スタジオのスピーカーの数は、エンジニアの「責任感の数」とも言えるかもしれません。
「よし!100均のイヤホンでもしっかり聴こえる!完璧だ!」
漫画のラストで、イグアナが誇らしげに取り出したのは100円均一のイヤホン。
これ、実は笑えないリアルです。
ミックスやマスタリングの現場では「最も条件の悪い環境でも破綻しないか」を確認することが非常に重要で、100均のイヤホンはその「最もシビアなテスト環境」として機能します。
高級スピーカーで完璧に仕上げたつもりの音が、安いイヤホンでは低域がぼやけて聴こえたり、ボーカルが埋もれてしまったりすることも珍しくありません。
プロのこだわりは、最高の機材だけでなく、最もシンプルで安価な再生環境への対応にも向けられているのです。
それを「ちょっと引いている」と感じるアシスタント(?)の反応も、いたって正常です。
プロの耳は、いつも「リスナーの耳」でもある
スタジオにスピーカーが何台あっても、エンジニアが最終的に目指すのは「聴いた人が、その音楽を好きになってくれること」です。
超高解像度の巨大スピーカーも、100均のイヤホンも、すべてはそのためのツール。
ガチャガチャとスイッチを切り替えながら、あらゆる環境をシミュレートするイグアナの姿は、プロフェッショナルな「妥協しない耳」の象徴と言えるでしょう。
……たとえ、傍から見ると少しだけ引かれてしまうとしても。

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