[RME ( アールエムイー ) / ADI-4DD] 新規機材導入

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[RME ( アールエムイー ) / ADI-4DD] 新規機材導入

 RED IGUANA STUDIOで新規導入を行った機材のご紹介を致します。
導入を行って欲しい機材リクエストなどございましたらお気軽にお問い合わせください。

機材カテゴリーデジタルフォーマットコンバーター
導入日2021-11-5
メーカー名RME ( アールエムイー ) 
製品名ADI-4DD
個 数1個
レンタル/貸出可能

「透明な橋を架ける」デジタル・ワークフローの純度を守る「信頼の基盤」

今回ご紹介するのは、音を直接変えるエフェクターや、華やかな音色を加えるプリアンプではありません。しかし、レコーディング・スタジオにおいて、異なるデジタル機材同士を「正しく、劣化なく」繋ぐことは、作品のクオリティを決定づける最重要事項の一つです。

今回、RED IGUANA STUDIOが導入した「RME ADI-4DD」は、まさにその「完璧な伝送」を司るためのスペシャリスト。なぜ私が目立たないこの1Uハーフラックの筐体に絶対の信頼を寄せるのか、その理由を紐解きます。

RMEの歴史と哲学:ドイツが誇る「正確無比」の象徴

RME(RME Intelligent Audio Solutions)は、FirefaceシリーズやBabyfaceといったオーディオインターフェイスの名機で世界的にその名を知られていますが、1996年にドイツで設立されて以来、プロフェッショナル・オーディオの世界において「究極の透明性」を定義し続けてきた希有なブランドです。彼らが一貫して追求してきたのは、一切の脚色や意図的な味付けを排した、原音に忠実な「透明なサウンド」と、24時間稼働が求められる過酷なスタジオ現場や長時間のレコーディングセッションでも決して揺らぐことのない「圧倒的な安定性」の高次元での両立です。

多くのメーカーが、真空管のような温かみやアナログライクな倍音成分といった独自の「サウンド・キャラクター」を競い合い、ユーザーの感性に訴えかける中で、RMEは「入力されたデジタル信号を、1ビットの狂いもなく、微細なニュアンスさえも正確に出力・伝送する」という、デジタルエンジニアリングの原点に対して極めて誠実かつストイックな設計を貫いています。この「何も足さない、何も引かない」という徹底した思想は、単なるスペック上の数値を超え、アーティストが込めた繊細な感情やその場の空気感までも正確にキャプチャし、劣化させることなく次の制作工程へと届けるための、プロフェッショナルにおける絶対的な信頼の礎となっています。この揺るぎない「真実の音」へのこだわりこそが、第一線の現場で長年選ばれ続けているRMEという選択の正当性を証明しているのです。

独自のクロック技術「SteadyClock™」

ADI-4DDの真骨頂は、RME独自の「SteadyClock」技術にあります。外部信号にジッター(時間軸の揺れ)が含まれていたとしても、内部で極めて精緻なクリーン・クロックを再生成。これにより、接続されたすべてのデバイスが、あたかも一つの高精度なクォーツ・クロックに制御されているかのような、抜群の透明感と定位感を実現します。

なぜ今さら、AES/EBUとADATを語るのか:主流規格の裏にある「不変の価値」

昨今、オーディオ業界ではDante(AoIP)やMADI(Multichannel Audio Digital Interface)といった多チャンネル伝送規格が主流です。しかし、制作の「核心部」において、AES/EBUとADAT Opticalは依然として不可欠な存在であり続けています。

それは、これらが複雑なネットワーク設定から解放された「点と点を最短距離で、物理的に結ぶ」規格であり、制作におけるレスポンスと音質の純度を極限まで高めてくれるからです。さらに、レコーディングの歴史を彩ってきた数々の「名器」たちが、今なおこれらの規格を標準としている点も見逃せません。

  • AES/EBUと受け継がれる「名器」たち LexiconやTC Electronicといった伝説的なプロセッサー、あるいはApogee(アポジー)などの今なお最高峰と称されるハイエンドなAD/DAコンバーター。AES/EBU規格(正式名称:AES3)は、1985年にAES(Audio Engineering Society)とEBU(European Broadcasting Union)によって策定されました。以来、プロフェッショナルな現場における110Ωバランス接続の標準として、最もエラーに強く、信頼されるデジタル伝送方式であり続けています。Dante登場以前に設計された「音の魂」を持つこれら名器たちにとって、AES/EBUは今なお純度を保ったまま外部と対話できる唯一の手段です。これらの歴史的価値を現代のワークフローから切り離さないために、ADI-4DDは最も厳格な伝送路として機能します。
  • ADAT Optical:歴史に裏打ちされた「電気的絶縁」のメリット ADAT(Alesis Digital Audio Tape)Opticalは、もともと1991年にAlesis(アレシス)社が提唱した、8トラック・デジタル録音機のための独自規格でした。安価な光ファイバーケーブル(TOSLINK)で8チャンネルのオーディオデータを一度に送れる利便性は瞬く間に広まり、今日まで業界標準として生き残っています。 ADATの最大の技術的メリットは、光伝送による「物理的な電気的絶縁」にあります。メタルケーブル(同軸やXLR)と異なり、光ファイバーは電気を通しません。これにより、PC環境とオーディオ機材を物理的に切り離すことが可能になり、プロの現場を悩ませる「グランドループによるノイズ混入」を根本から遮断します。また、ADI-4DDは「S/MUX(Sample Multiplexing)」技術を用いることで、本来ADATが苦手とする96kHz等のハイサンプリング時でも、チャンネル数を分割して高品位に伝送することを可能にしています。往年の多チャンネル・プリアンプやミキサーを、現代のハイスペックな環境へ安全かつクリーンに統合するための最良の選択肢なのです。

AES/EBU 内部に秘められた「究極の互換性」——D-Subピンアサインの秘密

今回この記事を書く大きなきっかけとなったのは、実は日本語マニュアルには記載のない、この機材に秘められた「驚異的な柔軟性」を知ったことでした。

D-Sub 25ピン端子は、1本のケーブルで8チャンネル(4ペア)のAES/EBU信号を効率的に伝送できるため、省スペースが求められるプロの現場では欠かせない存在です。しかし、物理的な形状こそ同一ですが、メーカー各社の設計上の都合によってピン配列(ピンアサイン)だけが異なっているという、非常に厄介な「現場泣かせ」の現状があります。信号そのものは同じデジタル信号であるにもかかわらず、この配列の不一致という「規格の壁」が、機材同士のシームレスな接続を長らく阻んできたのです。

ADI-4DDは、筐体内部のフラットケーブル(コーディング・コネクター)を差し替えるだけで、これら3種類の異なる規格にハードウェアレベルで対応します。本来なら高価な特注クロスケーブルを用意するか、ハンダ付けを伴う変換ボックスを自作しなければならないところを、機材内部の切り替えだけで「透明な橋」を架けることができるのです。

  1. Tascam / Digidesign (Factory Default: X231) 現在のレコーディングスタジオにおける世界標準です。TascamやPro Tools環境、さらには多くのハイエンドAD/DAコンバーターで採用されています。特にTascam製品では「TDIF(Tascam Digital InterFace)」という名称でも親しまれてきたこの規格は、多チャンネル・デジタル伝送の礎とも言える存在です。
  2. Yamaha (X230) 放送局や大規模なSR(ライブ音響)の現場で圧倒的なシェアを誇る、Yamaha製デジタルコンソール等で使用される規格です。信号の割り当てがTascam規格とは根本的に異なり、この切り替え機能がなければ、特注のクロスケーブルなしにYamaha製コンソールとデジタル接続することは不可能です。
  3. Euphonix (X229) 映画製作や大規模なポストプロダクションで使用されるハイエンド・コンソール「Euphonix」専用の規格です。非常に特殊なアサインですが、ADI-4DDはこれにも完全対応しています。

「できない」と言わないための選択:プロの備えがクリエイティブを守る

私がこの機材を選んだ最大の理由は、どのような仕様の機器が持ち込まれても即座に対応するためです。プロの現場において、規格の不一致によって制作の手を止めることは、クリエイティブな熱量を削ぐ致命的なロスに繋がります。

ADI-4DDという「通訳者」が控えているからこそ、どんな環境の信号であってもエラーから音を守り、エンジニアとしての**「意思決定のスピードを上げる」**ことが可能になるのです。デジタル出力付きのマイクプリアンプからDAWへ、あるいはバックアップ系統へのミラーリング。こうした「見えない部分」でのトラブルをゼロにすることが、結果としてアーティストの集中力を最大限に引き出すことに繋がると信じています。

まとめ:技術の誠実さが、アーティストの「今」を永遠に変える

「高価な機材=良い音」という固定観念を捨て、その機材がいかにアーティストの助けになるかを見極める。機材の真価は、制作の現場でいかにストレスを排除し、表現の自由度を広げられるかにあります。ADI-4DDのような「正確無比な基盤」の導入こそが、アーティストの個性を最も純粋な形で浮き彫りにし、理想の音像へと最短距離で導くのです。

「一瞬の閃きを、永遠の記録に変える」

音楽制作において、魂が震えるような「魔法の瞬間」は二度と繰り返すことはできません。RED IGUANA STUDIOは、設立から20年、最新の技術と長年現場で培われたアナログな感覚を融合させてきました。RME ADI-4DDという揺るぎない礎と共に、私たちはこれからもアーティストの情熱に誠実に向き合い、その表現活動を深くサポートしてまいります。

RME 公式ページ https://rme-audio.jp/

特長/仕様(メーカーサイト抜粋)

製品概要

24 bit/96 kHzでも8チャンネルの変換が可能な、AES/EBU、ADAT(96kHz S/MUX互換)フォーマット・コンバーターです。デュアルコンバーターの利点を活かして、2種類の変換を同時に行うこともできます。デジタル・フォーマット互換に関する課題を解決する驚異的なコストパフォーマンスのフォーマットコンバーターです。

主な機能

  • 19インチハーフラックサイズのモバイル仕様
  • ジッターを極限まで抑制するSteadyClock®
  • AutoSync:入力信号のクロックを自動検知し、ロック/同期
  • Bitclock PLL:ADATオプティカルの極端なバリピッチにも追従するPLL
  • Intelligent Clock Control™:すべての入力信号とクロックを測定、表示
  • SyncAlign®:すべてのチャンネルのサンプルアキュレートシンクと位相ズレ防止
  • SyncCheck®:0.5秒おきにすべてのデジタル入力クロックの状態を表示

入出力

  • AES/EBU入出力(D-Sub 25pin)x1系統 (8チャンネル)
  • AES/EBU入出力(XLR)x1系統(2チャンネル)
  • ADATオプティカル入出力 x2系統 (SPDIFと切り替え可能)
  • ワードクロック入出力 x1系統

主な特長

RME ADI-4 DDは、コスト効率が非常に高いAES/EBU、ADATコンバーター。最大96kHzに対応し、高性能のジッター抑制機能を搭載します。ADI-4 DDは、ホームユーザーから放送局での導入でも最適な柔軟なインターフェイスです。

入出力信号のステータスはLEDで簡単に確認することができます。AES出力はプロフェッショナルおよびコンシューマーのサブコードに設定ができます、チャンネル1〜2はオプティカルで入出力することもできます(TOSLINK)。

複数のADI-4 DDをスタック接続する場合でもワードクロックを接続する事でサンプル精度の同期が可能。全ての設定は電源を落とす際に自動的にハードウェアないに保存されます。

DDコンバージョン

デバイスには基本的に「4機のAES-3入力~2機のADAT出力」および「2機のADAT入力~4機のAES-3出力」の2種類のコンバーターが搭載されています。2機のADATポートは32kHz〜96kHzで8チャンネルの入出力を利用できます(S/MUX)。

  • 8チャンネルAES 〜 ADATオプティカルコンバーター (96 kHz)
  • 2チャンネル AES 〜 8チャンネル ADATスプリッター (96 kHz)
  • 8チャンネル ADAT 〜 AESコンバーター (96 kHz)
  • 2チャンネルAES 〜 8チャンネルAESスプリッター (96 kHz)
  • 4チャンネルAES Double Wire 〜 AES Single Wireコンバーター (96 kHz)
  • 4チャンネルAES Single Wire 〜 AES Double Wireコンバーター (96 kHz)

AES/EBU

ADI-4 DDにはXLRのAES/EBU入出力、およびD-sub 25pinのAES/EBU入出力が搭載されます。内部コネクタの設定によって簡単にTascam (Digidesign)ピン配列、およびYAMAHA/Euphonixピン配列の切り替えが可能です。

ジッター抑制機能「SteadyClock」

デジタル信号にはサンプリング・クロックの時間的なゆらぎによるジッターが生じます。現在その抑制こそがデジタルオーディオ機器の大命題とされています。SteadyClock™はすべてのクロックに対して驚異的なジッター抑制を行います。SteadyClockはいかなるクロックもリフレッシュして抜群の再生クオリティーを保つだけでなく、理想的なリファレンス・クロックとしてすべてのデジタル出力から送信できます。

SyncCheck®

複数のデジタルソースで作業を行う場合には、それらのソースが正しくロックし、また完全に同期している必要があり、これらが正しく設定されていない場合、ドロップアウトやクラックルノイズが発生します。
RME独自のSyncCheckはすべての入力信号をチェックし、視覚的に表示します。クロックモードがMasterのときは、内部クロックに対する同期動作が確認されます。この優れた技術によって瞬時にエラーを発見することができます。

SyncAlign®

SyncAlignには、時間軸やチャンネルに関して絶対的なデータ配置を保障するための技術や方法が組み込まれています。ステレオモードやマルチチャンネルモードでも、また、カードをどのように使用しどのような信号を受信した場合も、RMEのデジタルオーディオカードはチャンネルを交換することがありません。SyncAlignはチャンネル間のタイミングをもコントロールします。チャンネル数に左右されずサンプル単位で整列された状態で開始されます。

Record while play(再生中に録音)モードが有効な場合、対応するソフトウェアは初めに録音を開始し、その後再生を開始します(または再生の後に録音)。 SyncAlignはこの時間差を補正し、Record while playモードでも録音と再生が正確に同時に開始するように保障します。非同期モードでは(異なったプログラムが一つのカードの異なったステレオデバイスを使用する)SyncAlignのこの部分の機能は自動的に無効になります。

Intelligent Clock Control (ICC)

RME Intelligent Clock Controlは、すべてのクロックソースの周波数を測定/表示させることのできる世界で唯一のデジタルI/Oシステムです(もちろんワードクロックも!)。使用するクロックソースを信号の有効性や現在のサンプルレートを基にして判断します(完全に自動化されハードウェア上で行われます!)。
これにより、多数のデジタル入力、先進のクロック設定を装備するにもかかわらず、簡単にクロックを取り扱うことができます。

技術仕様

AES/EBU

  • XLR端子×1、D-Sub25ピン経由×4 AES3-1992準拠バランス端子(グランド非接続)
  • 高感度入力ステージ(<0.3Vss)
  • S/PDIF互換(IEC 60958)
  • ConsumerからProfessionalまでのフォーマットに対応(コピープロテクトは無視)
  • Single Wire時:2チャンネル×4 24 bit / 96 kHzまで
  • Double Wire時:2チャンネル×4 24 bit / 48 kHzまで、または4チャンネル96 kHzまで
  • ロックレンジ: 27 kHz ~103 kHz
  • 同期時のジッター: < 1 ns
  • ジッター抑制値:およそ30 dB (2.4 kHz)
  • 出力電圧:4.5 Vss(Professional)、または2.1 Vss(Consumer)
  • Professional用フォーマットはAES3-1992 改訂4に準拠
  • Consumer用フォーマット(S/PDIF)はIEC 60958準拠

ADAT オプティカル

  • TOSLINK×2 Alesis標準仕様に準拠
  • 標準時:8チャンネル 24 bit / 48 kHzまで
  • コピーモード時:8チャンネル×2 24 bit / 48 kHzまで 
  • S/MUX時:8チャンネル×2 24 bit / 48 kHzまで、または8チャンネル24 bit / 96 kHzまで
  • BitclockPLLにより可変速度時(バリスピード)においても完全な同期が可能
  • ロックレンジ:31.5 kHz ~56 kHz
  • 同期時のジッター: < 1 ns
  • ジッター抑制値: およそ30 dB (2.4 kHz)

ワードクロック

  • BNC端子 (10 kΩ、非終端)
  • スイッチ切替で75Ω内部終端可能
  • 自動的に2倍速(Double Speed)であることを認識し、等倍速へ内部変換
  • SteadyClockにより、可変速度時(バリスピード)においても超低ジッターを実現
  • AC接続により、DC-offsetの影響無し
  • 信号受信部基盤:オートセンター、誘電分極部を通過することによる信号リフレッシュ
  • 過電圧防止機能
  • Level range: 1.0 Vss ~5.6 Vss
  • ロックレンジ: 27 kHz ~112 kHz
  • 同期時のジッター: < 1 ns
  • ジッター抑制値: およそ 30 dB (2.4 kHz)
  • 最大出力電圧: 5 Vss
  • 出力電圧 @ 75Ω: 4.0 Vss
  • 出力インピーダンス: 10 Ω
  • 出力周波数レンジ: 27 kHz ~56 kHz、(Double Speed時 54 kHz~112 kHz)

一般

  • 電源:AC100~240 V 、消費電力:10 W
  • 動作電圧:DC 7 V ~38 V、 AC 7 V ~ 27 V
  • 電流12 V:> 400 mA (> 5 W)
  • サイズ:215×44×100 mm
  • 重量:1 kg
  • RoHS指令 対応済
  • ISO 9001認証
  • CE認定
  • FCC認定

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